ABS樹脂黄変除去プログラム[Retr0bright]
今日はうちのキッチンスタジアム(1畳)から中継。
たまにはスイーツネタなどでもエントリしてJKリーダーのハートをぐわっと鷲掴みなんてのではなくて、ガジェット男子なら一度はしてみたい、ABS樹脂黄変除去プログラム= Retr0bright 的なものにトライ。
アルミとポリカ以前のMac使いにはおなじみの、黄土色のMac。
もしくはCommodoreやAmigaとか。そんなやつらの”黄変”を化学の力でリカバリーしてしまったギークの血と汗と体臭の結晶、Retr0bright。
黄変?本とか壁の日焼けと一緒??日光の仕業?ぐらいしか思いつかないしろーとの考えをひっくり返す黄変メカニズムの数々。
wikipediaとかいろんな情報をまとめると、ABS樹脂の黄変とは
- 主成分のブタジエン(ABSのB)の劣化 > [対処]どうしようも出来ない
- 酸化防止剤BHTによるフェノール系黄変 > [対処]酸性にする/紫外線をあてる
- 紫外線による臭素系難燃材の劣化による黄変 > [対処]水素に共有結合させる
とのことらしい。
2番目のやつはクリーニングに出して袋に入れっぱなしの服(化繊天然問わず)が黄変するやつと同じ現象とのこと。暗所黄変とか言うやつで日光は関係ないんだとか。この”服の黄変の変”は長らく謎だったらしいとどこかに記述が。(そのビニールから出るBHTが黄変させるらしい)
3番目のやつは紫外線が原因で引き起こされるんだけど、元に戻すのにも紫外線にあてるのだとか。ふうーん(うん、みんなコピペ)
ということで、必要なのは過酸化水素と紫外線と酸性ムードなのだとか。
そして誕生したのが、ギークの血と(中略)がRetr0bright
で、まあ数年前にこういうものがあるのを知ったのだけど、なんか素材集めるの大変そうだにゃあ(過酸化水素水は濃度6%以上で劇物指定)と静観してたら、なんと最初からその他必要なのもひっくるめて成分配合済みの家庭用漂白剤が売りに出されてるんだとか!それ早く言ってよ!
ワイドハイター EXパワー
ハをファに変えるとかなり強そうな、いや変えなくてもやっぱり強そうな花王のプロダクト。
重要成分である過酸化水素含有の貴重な家庭用漂白剤。
もちろんRetr0brightとして本来必要な10〜15%には到底及ばないのだろうけど、そこは時間で解決出来ると先達は言っている。
これに物体に付着しやすいようにゲル状にするキサンタンガムをお菓子売り場で買ってきてまぜまぜすれば、準Retr0brightの完成であるらしい。で、小物ならそのままこのワイドハイターEXパワーにどぼんとドブ付けにして太陽に暴露させれば、たったそれだけでBack to White!
なのだけど、この時期ウチ的には直射日光があたる場所と時間が限られてる事実。過酸化水素の含有率の低さから数日は放置と書いてる先達もいて、いやいや夜間も進行させたい!ってことで対黄変撃退メーサー砲(注:UVランプ)導入。
調べると分離再結合に必要な波長は320nmとのこと。いわゆるUVA(315~380nm)のはじっこ。なので一般的なブラックライトで光量は乏しいけどオッケーっぽい。ちなみに最近出てきた紫外線LEDは365nmとか385nmとかなピンポイントな波長しか出てないようなので使えないと予想される。(320nmってのがあれば別)
さて今回のテストの被験者はこちらの方々
Apple ADB Mouse I号 & II号
左はじのは、保管状態が良かったのか黄変がほとんどないII号さん。参考比較用。
初代ADBの現代においてのこの飴色っぷりはそれはそれでレトロな風合いで捨てがたいんだけども、涙を飲んで被験。
セッティング開始
ライトに照らしてのドブ付けだからと、最初水槽でも買ってこようかと思ったけど、まあこれでいいか
のペットボトル再利用。
これで2〜3日放置。
Timelapseとか、、やらないので期待しちゃだめ。
…
照射&漬込み開始後約15時間、街を歩いてて突然あることに思いつく。
「あれ?PETって紫外線通したっけ?」
調べる。ダメじゃん!w
こんだけ薄い、ぺらっぺらのPETなんだけど、それでも遮断??
よく分かんないけど、気になったのでセッティング変更。
やはり、広口の瓶とかガラスのバットで上部から照射か…それをまわりをアルミホイルでかこって反射させて…ん?ならステンレスのバットでいいじゃん…かつ反射したのも効率的に集光……
む、これでいいのか…
紫外線暴露用パラボラ状格納容器 (注:ボウル)
ここからあと1〜2日ぐらい漬込んでみる。
ZZZZZ…
長くなっちゃったので、続くわけだな!
→その2
うはー。なんかこういうのにワクワクw楽しみ
いやー、同じく自分も楽しみです!
ガジェットだけじゃなくて、ぼろいおもちゃとかのレストアもこれでいけるのかと思うとかなりウキウキなんですよw
うわメチャクチャ面白いッス!
オチは?オチは?と読んでったら引っ張りますか。
ジャンプを待つ少年時代を彷彿。
あざっす!w
ジャンプw
オチというなら、仁太郎さんもよくご存知のあの某FCG氏は2〜3年も前にやらかしてますよw あちらでretr0brightで検索してみてください
黄色くなったら見たくもない、で繰り返し捨ててきた身にはなんだかチクチクきますね…
ところで先日、とあるLED素子メーカーの意見交換会で見せてもらった新型素子、月光に近い波長を持っていて、人間の眼で一番捉えやすいグラフを再現してましたよ。ピンポイントではなくて。
色温度、lx、lm、などという旧い概念では表記できないそうです。「本当の透明な光」ということで、既に諸海外では高速道路等に導入されていて、撮影に使えるかどうかのテストをして欲しいと…。
Akiさん、へええー、なかなかキャッチーですね、月光のLEDですか。そんなのがあるんですね。これまでの基準があてはまらない光ですか。さらにへええ。月光(の写真)ってなにか独特のムードがあるわけですが、なんかあるんですかね。ただの太陽の反射光のくせに、やるなあw テスト結果知りたいなあw
LEDってもともとかなり狭い波長で光るものですよね。波長が広いのは蛍光体によるものだと思ってました。ちなみにUV-LEDはやっぱりピンポイントっぽいです。カタログにも「405nm、380nm、365nm」って中心周波数が明記されてるぐらいなので相当狭いんでしょうね。
あーら懐かしい。
やり過ぎると素材の劣化をまねくらしいのでちゅういでっせ。
>あーら懐かしい。
うっ。先達ならではの上から目線っすねw
>やり過ぎると素材の劣化をまねく
まじっすか!ぜひそのソースください!
いやいや流石煮詰めて検討していらっしゃる。小物は金属ボウルでOKですがボディはやっぱりキサンタンガムレシピが必要ですね。
培養実験などで器具を消毒目的に紫外線照射するのですが、特に透明な樹脂は細かいひび割れが入って壊れやすくなります。また逆に日焼けを増長することもあるので過度のUV照射は避けたほうがよいかと。つまりソースは俺です。
>ソースは俺
了解ですw
というかそれでいいんですよね?
劣化=破壊(配位結合のカット?)させて、まわりの水素ちゃんが共有結合しようとわーい!ってくるんだと思ってました。もちろんまわりが空気なら単に劣化が進むという理解でした。だめ?
>ボディはやっぱり、、
やっぱそうですよねえ。ここではドブ付けで済むイージーさがおもしろそうなのでネタにしました。
ちなみにキサンタンガムは入手済み、過酸化水素水は薬局にオーダー済みです。それだとただのretr0brightになってしまうのでネタにはしませんけどw
失礼いたします。
“Retr0bright”がwhiteout状態なので、こちらで伺いたいのですが、
使用されたランプはどこの製品でしょうか?
白熊さん、ども。
メーカーは覚えてないです。
蛍光灯タイプのスパイラルなやつです。どこも似たようなものだと思います。