国立新美術館
先週の日曜にオープンした『国立新美術館』に行ってきた。
建築中からそのガラスのオブジェのような外観は気になってた。ちょっとワクワクだ。
開催されてる文化庁メディア芸術祭10周年企画展「日本の表現力」も面白そうだ。タダというのもいい。
設計は黒川紀章。
イマドキの建築業界のトレンドは『フォルム』なのだろうか。ひとことで言えばデザイン、もしくはスタイリング。箱を脱却したあらたなカタチ、あらたなフォルムを求めているのか。
ガラスカーテンウオールとガラスのルーバーにより、オーガニックな曲面を造形している。
理屈で考えれば一枚一枚のルーバーの形(プランの曲率)は全て違うということになる。すごいな。
少し前の建築のトレンドは、建物はどこまで空気の様になれるか、だったように思う。トランスルーセント、アノニマス。
景観の中で外観の威圧感、存在感を消し、どちらかと言えば内包する空間のダイナミックさで勝負。ガラスカーテンウオールの建物が乱立した。
今はその反動の時期か。
最近のいいなと思う建築はオブジェのように見えるものが多い。単に形が新しいだけでなく、構造そのものも有機体にヒントを得た、とんでもなくダイナミックな建築。
そして、この『国立新美術館』はまさにそんな時代の建物。
ただし残念ながら"過渡期"と言う意味で。
自分が(勝手に)期待した新時代な建物感にはほど遠い未熟な箱モノ
『うねるガラス』は見ていて気持ちがいい。結構好き♪ が、世間に乱立したガラスカーテンウオールの意趣返しなだけとも言える。
そうして、一度ネガな目線でこの建築を見始めると、いやいや『カタチヅクル』ことに全然『魂』が入ってない。『ソウル』が言い過ぎなら『意思』や『意図』でもいいのだが。
最初に目に入る意味不明なブツはエントランスのこの三角錐状のブツ。
見せ場のガラスのリズムを断ち切って、いきなり、"なんとなく郊外スーパー?"的な意匠。安い電飾が似合いそうだ。『格』を落とすのに大変に有効である。
インテリア。
カーテンウオールの有用性は内に巨大な無支柱の空間が出来ることなのだが、特に広いとは感じない。巨大なコンクリの物体があるからだ。特に構造体でもないようだ。
その上面にはそれぞれ飲食スペースがある。
この辺りの空間の緊張感はなかなか見応えがある。
小さい方の上
映画『ブレードランナー』を思い出した。かっこいい。
そうか、外壁の膨らみはこの大小の円錐状の物体を内包している結果なのだな。
やはり、この辺りの意匠は内と外の関連性があって見応えがあるのだ。
かっこいいぞ。
しかし、そのかっこいい所から少し目線を外すと、絶望的な景色が待っているのだ。"カタチ"を作ることへの執着のなさを物語る証拠。
そして裏手。。ここは倉庫??
がびょーーん。な風景
看板建築
日本的といえば日本的なのか。。
(看板建築とはコチラ→とかコレ→とか)
巨匠ったら。
いや、その殺風景な景色に、海馬にひっかかるモノがある。
あれは何だ!?
あれは、もしかして!?アレか??アレなのか?父さんっ!
(右下)
続く ^-^
たしか常設をおかないとかいう美術館でしたよね。
落ち着いた頃に行ってみようかな。
新しいという点では青森県立美術館もキレイですよ。
建築の出来は数段、青森県立美術館の方が上なんじゃないでしょうか。
ここはただの展示スペースです。